2020年7月6日 星期一

河内良弘老師 榮獲第106回日本学士院賞



河内良弘受賞者から研究業績について説明をお受けになる
天皇皇后両陛下


日本学士院は、平成28年6月27日、本院会館において天皇皇后両陛下ご臨席のもと、第106回授賞式を挙行いたしました。式に先立って、各受賞者が両陛下にそれぞれの研究内容やその成果を御説明し、陛下からの御質問に答えました。授賞式では、森和俊氏に恩賜賞・日本学士院賞、河内良弘氏ら8件8名に日本学士院賞、松岡信氏に日本学士院エジンバラ公賞が授与されました。

2020年7月5日 星期日

『歴史学専攻だより』 河内先生の近況報告






『満洲語辞典 改訂増補版』の発刊と『総索引』の編纂
  河内良弘(名誉教授)

 『満洲語辞典 改訂増補版』がようやく出版発売のはこびになりました。前著『満洲語辞典』が発売されたのは2014年6月のことで、さいわい辞典は世の人々の支持を受け、好評を博し、順調に売れゆきを伸ばしてきましたが、このたび誤りを改訂し、更に「満洲語付 六部成語」を増補したうえで『改訂版』を出版することになりました。印刷 中西印刷株式会社 京都、発行 松香堂書店 京都、発売 東方書店その他、定価3万円です。
 実は『満洲語辞典 改訂増補版』と共に『満洲語辞典 総索引』の編集も同時に進行させてきましたが、『改訂版』の方が先にできました。『総索引』の編集も完成に努力しています。
 このたびの『総索引』および『改訂増補版』の出版にさいしては、中国満洲族の人々から多額の寄付金の捐助を受けました。事の発端は2017年末、DCNB 日本龍之昇中文網絡電視台台長の完顔祺閣さんが拙宅に見えてインタービュのマイクをさしだされたことです。私のような一介の日本の貧乏満洲学者の『辞典』のことなど、中国の人々の関心をひくこともあるまいに、と半信半疑で質問に答えました。自分では気がつきませんでしたが、「出版費がない。金がない」と思わず何度か、日頃の思いをつぶやいていたらしいのです。その動画はその日の中に全世界に発信されました。それが人々の目にとまり、注意を喚起し、はからずも『満洲語辞典 総索引編』出版のための捐款(義援金)募集という動きにまでになりました。そして集められた尊い義援金は2018年6月30日、完顔祺閣さんが奈良の拙宅に届けられました。私は驚嘆して言葉を失いました。私は中国の大部分の人々は、一部の研究者を除いては、少数民族の言語などに興味を持つ人はいないだろうと思っていました。しかし目の前にあるこの多額の義援金は、言語と文化の存続と興隆に対する中国満洲族同胞の熱意の結晶です。私は涙の出るほど感動し、この義援金を額におし頂いて感謝し、有り難く拝受しました。
 現在わたくしは中国満洲族同胞の熱い思いを背に受け、『満洲語辞典 総索引』の完成に向け日夜努力しています。


(天理大學『歴史学専攻だより』第8号から再掲しました)

2020年7月4日 星期六

満洲語辞典 改訂増補版




河内良弘 編著/本田道夫 技術協力
出版社:松香堂書店出版年:2018年10月
1284p
コード: ISBN/ISSN 9784879747457
価格 33,000円


1937年刊行の『満和辞典』(京都帝国大学満蒙調査会発行)以来、77年ぶりとなる満洲語の辞典。故宮博物院(北京)所蔵史料を中心に、著者が20年の歳月をかけて20余種の文献から集めた語彙約4万語を収録する。本文は横書き。見出し語はメーレンドルフ(P.G.von Mollendorff)の音訳法に従ってローマ字化し、アルファベット順に配列。見出し語のローマ字、満州文字、品詞、番号、日本語訳、見出し語漢訳、出典、(あれば)用例、用例の出典の順で記す。本書の刊行に対し、2016年日本学士院賞が授与された。
初版の刊行(2014年)直後より改訂の努力を重ね、4年の歳月をかけて満洲語訳入り『六部成語』の増補入力他、増補改訂を実現した。


■『改訂増補版』の発刊に寄せて:
『満洲語辞典』が初めて刊行されたのは2014年(平成26年)6月のことである。それは『満和辞典』の刊行された1937年(昭和12年)以来77年ぶりのことで、研究者間の潜在的ニーズにもこたえた為であろうか、さいわい辞典は世の人々の支持を受け、好評を博してきた。しかし初版本『満洲語辞典』の「編者のことばに」に「辞典は完成してからが本番で、刊行後もただちに改訂に備えなければならない」と述べたように、すぐさま他日の改版に備え、努力を続けた。また人々の要望にこたえ満洲語訳入り『六部成語』を増補入力した。『改訂増補版』の出版にさいしては、今回もまた本田道夫教授の技術協力を得た。
また平成28年6月27日、『満洲語辞典』の満州学研究進展への貢献に対して、天皇皇后両陛下の行幸啓を仰ぎ、日本学士院において日本学士院賞を授与された。この光栄と感動を日ごとの支えとし、満州学の発展に一層努力したいと思う。  河内良弘(2018年8月7日)


■新聞評:
「4万語収録の『満洲語辞典』――北京や台北に眠る清朝の満洲語文献。その解読に不可欠な満洲語を伝えるため、国内最多の4万語を収めた辞典を自費出版する。集めた語句は約4万語に及び、これまで最多だった辞典を超える。」(『朝日新聞』2013年12月6日『ひと』欄)

「絶滅寸前 満洲語の辞典――北京の古文書館などに私費で足を運び、硬い岩盤にノミ一本で立ち向かうような作業を続けること二十余年。収録数約4万語、約1200ページにのぼる辞典がようやく完成した。」(『毎日新聞』2013年11月9日)

目次:
『改訂増補版』の発刊に寄せて
編者のことば
Ⅰ 『満洲語辞典』以前
 一、『満和辞典』について
 二、『満洲語辞典』編纂への始動
Ⅱ 『満洲語辞典』編纂の過程
 一、「黒竜江省満語研究所」との共同編纂を模索
 二、コンピューター・ソフトの開発
 三、データの入力作業
 1.『清文鑑』の日本語訳の入力。初校から第5校へ
 2.『六清全書』『清文備考』『同文彙集』『摺奏成語』『清文総彙』の入力
 3.『六部成語』の入力
 4.用例の入力
Ⅲ 謝辞
Ⅳ 『満洲語辞典 総索引編』出版捐款の拠出への謝辞
Ⅴ 趙阿平 訳『満洲語辞典』的編纂出版及学術価値
Ⅵ 『満洲語辞典』凡例
Ⅶ 『満洲語辞典 改訂増補版』
あとがき
著者および技術協力者略歴

■編著者紹介
河内良弘(かわち・よしひろ) 1928年(昭和3年)生、京都大学文学部史学科大学院博士課程修了、米国ワシントン大学留学。1973年天理大学教授、1985年京都大学文学部教授。天理大学名誉教授、京都大学名誉教授。黒竜江大学満族語言文化研究中心栄誉教授。主要著書に『明代女真史の研究』(同朋舎)、『満洲語文語辞典』(京都大学学術出版会)、『中国第一歴史档案館蔵 内国史院満文档案訳註 崇徳ニ・三年分』(松香堂書店)、『満洲語辞典』他多数。2016年日本学士院賞受賞。